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今夜の番組チェック

風のある景色(美紀子2)


 美紀子は高速道路から海沿いの道に変え、青い海を左に眺めながら西に向かった。朝の光を受ける海を眺めての運転は快適だった。カーラジオは変わらず”休日の朝特集”がチューニングされ、音楽と女性のやさしい声が届いていた。左右2つのドアのウィンドーを全開にして海からの風を車内に取りこみながら直線に伸びる道を手繰り寄せていく感覚は美紀子の口元に微笑を浮かばせていた。

 程なく、海沿いの道は終点が近づき、内陸に向けてカーブしていき、いくつかの道に分岐していた。彼女は選ぶとも無く、気の向くままに進んでいくと。ターンパイクのゲートにさしかかった。ゲートにて係員と朝の挨拶を交わし、片道の料金を支払い、係員の”気をつけて”という言葉に右手を掲げて微笑で返事をした。

 彼女は、ワインディングを”休日の朝特集”のピアノを聴きながら適度なスピードで進み、標高を上げて行った。ハンドリングと強すぎないエンジンパワーを楽しみながら。両サイドの全開にしたウィンドーからは適度に冷えた朝の空気が彼女の顔を撫でていくのを嬉しく思いながら。
 途中、数台分が確保されたスペースを見つけ、彼女はクーペを停めた。車から外に出てみるとやはりシャツ1枚では少し肌寒かった。しかしピンと張った朝の空気は心地よく、数回、両手を広げて肺の隅々まで行き渡るように深呼吸した。
 美紀子は3回目の呼吸で近づいてくる排気音に気付いた。排気音はどんどん近づいてくる。オートバイのものである事は彼女にもわかった。ギアチェンジのたびに音質の変わる伸び上がるような排気音は先程聴いたものに似ていたが、ほんの少しだけ攻撃的なものに聞こえた。視線を音のほうに向けると銀色のオートバイが駆け上がってきていた。視線を移すとあっという間に美紀子の目の前のコーナーから抜け出て、次のコーナーへと消えていった。美紀子にはそのオートバイがサービスエリアで空を眺めていた”鳥のくちばしアクション”のオートバイである事がわかった。彼女はドライバーズシートに戻り、クーペを発進させた。

 しばらく走ると、海に向かって停まっているオートバイを美紀子は見つけた。そこはレストハウスの駐車場になっているようで、今停まっているのはオートバイ1台のみだった。
 「コーヒータイムにしましょう」と独り言のようにつぶやき、オートバイの隣に、フロントノーズを海に向けてクーペを停めた。


 
つづく(作成中)           
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